永住申請で「年金30年水準」が新たなポイントに 外国人の永住許可と年金を行政書士が徹底解説

「永住申請をしたいけれど、年金の加入期間が短い……」

「年金を30年間払っていないと永住できなくなるの?」

「厚生年金30年水準って、具体的にどういう意味?」

「年金が少ない場合、預貯金があれば大丈夫?」

外国人の永住申請を検討している方にとって、今後、「年金」への対応がこれまで以上に重要になる可能性があります。

2026年7月、外国人の永住許可をめぐり、出入国在留管理庁がガイドラインを厳格化する方針が報じられました。

特に注目されているのが、

「厚生年金30年水準」

という考え方です。

さらに、年収についても日本人世帯の平均を上回る水準を原則として求め、その年収を前提とした将来の年金受給見込み額を確認する方向とされています。

この記事では、永住申請における年金の重要性について、外国人の方にも分かりやすく解説します。


【重要】永住申請で「年金30年水準」が注目されています

今回報道された改定案では、

日本人世帯の平均を上回る水準の年収があり、その年収水準で厚生年金に30年間加入した場合に受給できる年金額に達すること

を原則として求める方向が示されています。

ここで非常に重要なのは、

「厚生年金に30年間加入していなければ永住できない」

という意味ではないことです。

「30年」という数字だけを見ると誤解しやすいのですが、ポイントは、

「将来、どの程度の年金を受け取れる見込みなのか」

ということです。


「厚生年金30年水準」とは?

簡単にいうと、

「日本人世帯の平均を上回る水準の収入で、厚生年金に30年間加入した場合に得られる年金額」

を一つの基準として、申請者の将来の生活基盤を見る考え方です。

つまり、これまで以上に、

現在の収入

だけではなく、

将来の年金収入

まで考慮して永住許可を判断する方向になります。

これは永住申請を考えている外国人にとって、非常に大きなポイントです。


「30年間年金を払っていないと永住できない」は誤解

例えば、日本に来て10年の外国人がいるとします。

この人が、

「私は厚生年金に10年しか加入していない。30年まであと20年あるから永住申請できない」

と考える必要はありません。

今回の「30年水準」は、加入期間そのものを30年間にするという意味ではなく、将来の年金受給見込み額を基準となる水準と比較する考え方とされています。

そのため、

  • 何年間日本で年金に加入しているか
  • これまでの給与水準
  • 今後の収入
  • 年金の加入状況
  • 将来の年金受給見込み額

などを確認することが重要になります。


なぜ永住申請で「年金」が重視されるのか?

永住許可では、単に「今、日本で生活できているか」だけではなく、

「今後も日本で安定した生活を続けることができるか」

という点が重要になります。

現在の入管庁ガイドラインでも、永住許可の「独立の生計を営むに足りる資産又は技能」について、将来において安定した生活が見込まれることが求められています。さらに、公的年金や公的医療保険の保険料などの公的義務を適正に履行していることも明記されています。

つまり年金は、

「過去にきちんと納付してきたか」

という問題だけではありません。

今後は、

「将来の生活を支える年金をどの程度受け取れるのか」

という点まで重要になる可能性があります。


年金が少ない場合は永住できない?

必ずしもそうとは限りません。

今回報道された内容では、年金受給見込み額が基準に不足する場合でも、不足分を補える預貯金などの金融資産があれば、独立した生計を営めると評価する方向とされています。

つまり、

年金が少ない

しかし十分な金融資産がある

将来の生活を維持できる

という場合には、資産によって補完できる可能性があります。

この点は、年金加入期間が短い外国人の方にとって非常に重要です。


「年金+資産」で考えることが重要になる

今後の永住申請では、単純に、

「年金が少ない=不許可」

と考えるのではなく、

将来の生活基盤全体

を見ることが重要になります。

例えば、

現在の年収

将来の年金受給見込み額

預貯金・金融資産

などを総合して考えることになります。

そのため、

「年金加入期間が短いから絶対に無理」

と自己判断するのも、

「年収が高いから問題ない」

と判断するのも適切ではありません。


年金未納がある場合はどうなる?

ここは、永住申請で非常に重要なポイントです。

現在の入管庁ガイドラインでは、永住許可の要件として、公的年金の保険料などの公的義務を適正に履行していることが明記されています。

しかも注意したいのが、

申請時点で支払い済みなら必ず問題ない、とは限らない

という点です。

入管庁の現行の審査基準では、申請時点で納税・納付済みであっても、本来の納付期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されてます

したがって、

「昔、年金を払っていなかったけれど、今は全部払ったから大丈夫」

と自己判断するのは危険です。


会社員なのに年金に問題がある場合

会社員の場合、原則として厚生年金に加入することになります。

しかし、過去に、

  • 転職した
  • 退職した
  • 会社を辞めて自営業になった
  • 一時的に無職だった
  • 社会保険の加入状況が変わった

などの事情がある場合、年金の加入状況が複雑になっていることがあります。

例えば、

会社員

退職

国民年金

転職

厚生年金

というような経歴です。

この場合、それぞれの期間について年金の加入状況と納付状況を確認する必要があります。


自分の年金加入状況を確認する方法

永住申請を考えている方は、まず自分の年金記録を確認しましょう。

確認したいのは、

  • 国民年金の加入期間
  • 厚生年金の加入期間
  • 未納期間
  • 免除期間
  • 納付猶予期間
  • 転職・退職時の切替状況
  • 現在の年金加入状況
  • 将来の年金受給見込み

などです。

特に、永住申請を考えている方は、

「自分は何年間年金を払っているか」

だけではなく、

「将来、いくら年金を受け取れる見込みなのか」

まで確認しておくことをおすすめします。


「ねんきんネット」で将来の年金額を確認

日本年金機構の「ねんきんネット」などを利用すると、自分の年金記録や将来の年金見込み額を確認できます。

永住申請を検討している方は、

年金記録を確認する

将来の年金受給見込み額を確認する

永住申請に必要となる生活基盤を検討する

という準備をしておくとよいでしょう。

ただし、永住許可における「厚生年金30年水準」と、個人が確認する年金見込み額を単純に同じものとして扱えるかなど、具体的な運用については、今後公表される正式なガイドライン等を確認する必要があります。


年金30年水準を満たさない場合、どうする?

年金受給見込み額が基準に不足する場合に考えられるのが、

金融資産による補完

です。

例えば、

  • 預貯金
  • 金融資産
  • その他の安定した資産

などが十分にあれば、将来の生活基盤を補える可能性があります。今回報道された方針でも、年金不足を補える預貯金などの資産がある場合を考慮する方向が示されています。

そのため、永住申請を検討する際には、

「年金はいくら?」

だけではなく、

「年金+資産で将来の生活を維持できるか?」

という視点が重要になります。


【永住申請・年金チェックリスト】

永住申請を考えている方は、次の項目を確認してみてください。

年金加入

□ 厚生年金に加入している

□ 国民年金に加入していた期間がある

□ 国民年金と厚生年金の切替状況を確認した

□ 年金の未納期間がない

□ 年金の納付状況及び納付時期を確認した

□ 免除・猶予期間を確認した

将来の年金

□ 将来の年金受給見込み額を確認した

□ 厚生年金30年水準について確認した

□ 現在の年収と将来の年金の関係を確認した

資産

□ 預貯金額を確認した

□ 金融資産を確認した

□ 年金が不足する場合に資産で補えるか検討した

永住申請

□ 日本での在留年数を確認した

□ 現在の在留資格を確認した

□ 税金の納付状況を確認した

□ 健康保険料の納付状況を確認した

□ 過去の納付遅れがないか確認した


「年金30年水準」が心配な方は、今すぐ相談してください

次のような方は、永住申請を急ぐ前に一度ご相談ください。

「日本に来てまだ10年程度なので、年金加入期間が短い」

「厚生年金30年水準を満たすのか分からない」

「年金の未納期間がある」

「過去に国民年金を払っていない期間がある」

「年金は少ないが、預貯金はある」

「自分の将来の年金受給額が分からない」

「永住申請をいつするのがよいか分からない」

このような場合、「年金が少ないから永住できない」と自己判断する必要はありません。

年金の加入状況、年収、納付状況、資産、在留歴などを整理したうえで、現在申請することが適切なのかを検討することが重要です。


永住申請は「年金を払っているから大丈夫」ではありません

今後の永住申請では、

① 年金をきちんと納付してきたか

だけでなく、

② 将来どの程度の年金を受給できるのか

さらに、

③ 年金だけで不足する場合、それを補える資産があるか

という視点がより重要になる可能性があります。

つまり、

「年金の納付状況」+「将来の年金」+「金融資産」

をまとめて確認することが重要です。


永住申請の前に「年金診断」をおすすめします

永住申請では、申請書類を集め始めてから問題に気付くよりも、申請前に年金の状況を確認しておくことが重要です。

当事務所では、永住申請を検討されている方について、

  • 年金加入状況
  • 年金納付状況
  • 未納・納付遅れ
  • 将来の年金受給見込み
  • 現在の年収
  • 扶養家族
  • 預貯金・金融資産
  • 税金
  • 健康保険
  • 在留年数
  • 現在の在留資格

などを総合的に確認し、

「今すぐ申請を検討できるのか」

「もう少し準備した方がよいのか」

「年金以外の部分をどう整えるべきなのか」

を整理することをおすすめしています。


「年金が少ないから無理」と諦める前にご相談ください

永住申請における年金の扱いは、今後大きく変わる可能性があります。

特に、

「日本人世帯の平均を上回る水準の年収」

と、

「厚生年金30年水準」

がセットで検討される方向となっている点は、永住申請を考える外国人にとって非常に重要です。

しかし、

年金加入期間が短い=永住できない

という単純な話ではありません。

年金が不足する場合には、預貯金などの資産によって将来の生活を補えるかどうかも重要になります。

だからこそ、

「自分の場合はどうなのか?」

を早めに確認することをおすすめします。


目次

永住申請の年金について、今すぐご相談ください

「年金30年水準が心配」

「年金の加入期間が短い」

「年金の未納期間がある」

「年金は少ないが預貯金がある」

「自分の年金受給見込み額が分からない」

「今すぐ永住申請すべきか知りたい」

という方は、ぜひご相談ください。

永住申請は、申請直前ではなく「早めの確認」が重要です。

年金の問題は、短期間で解決できないケースもあります。

早めに確認しておけば、

「今すぐ申請する」

「しばらく年金・収入等を整えてから申請する」

「資産を含めた生活基盤を準備する」

など、状況に応じた選択肢を検討できます。

「まだ申請は数年先」という方でもご相談いただけます。

むしろ、早い段階でご相談いただくことで、将来の永住申請に向けた準備期間を確保できます。

「年金が心配だから相談する」――それで大丈夫です。

永住申請・年金について相談する

→ お問い合わせフォームからご相談ください お問い合わせ | 行政書士鴻森事務所

→ 電話・メールでのご相談も承ります

「自分の年金で永住申請は大丈夫?」と思った今が、相談するタイミングです。

※本記事で説明している「厚生年金30年水準」や年収基準は、2026年7月現在報道されている永住許可ガイドラインの改定方針に基づくものです。具体的な基準、計算方法、適用時期、運用については、今後公表される正式なガイドライン等をご確認ください。永住許可は法務大臣の裁量による許可であり、相談・事前確認によって許可を保証するものではありません。

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