永住申請の年収要件が厳格化へ|「日本人世帯の平均を上回る収入」が必要に?行政書士が詳しく解説

「永住申請には、いくらの年収が必要?」

「年収500万円なら永住許可を取れる?」

「夫婦の収入を合算して考えていい?」

「外国人本人の収入だけで判断されるの?」

このような疑問をお持ちではありませんか?

外国人の永住許可について、2026年7月、政府が要件を厳格化する方針を固めたと報じられました。

今回、特に注目されているのが、

「日本人世帯の平均を上回る年収」

という新たな考え方です。

さらに、将来の年金受給見込み額についても、一定の基準を設ける方向とされています。

この記事では、永住申請における新しい年収要件について、外国人の方にも分かりやすく解説します。


【重要】永住申請で「日本人世帯の平均を上回る年収」が求められる?

現在、政府は外国人の永住許可について、年収や将来の年金受給見込み額などを新たな判断材料として加える方向で検討しています。

報道によると、新しいガイドラインでは、

日本人世帯の平均を上回る水準の年収を継続して確保していること

を原則として求める方向です。

これは、これまでの「独立して生計を営むこと」という考え方を、より具体的にするものと考えられます。


「日本人の平均年収」と「日本人世帯の平均所得」は違います

ここは非常に重要です。

今回報道されているのは、

「日本人の平均年収」

ではありません。

正確には、

「日本人世帯の平均を上回る水準」

という考え方です。

つまり、

日本人会社員1人の平均給与

と比較する制度になるとは限りません。

「世帯」を基準とするため、今後の正式な運用では、

  • 本人の収入
  • 配偶者の収入
  • 世帯構成
  • 扶養家族
  • 世帯全体の生活状況

などがどのように評価されるのかが重要になります。


日本人世帯の平均所得はいくら?

では、「日本人世帯の平均」とは具体的にどの程度なのでしょうか。

厚生労働省の2024年国民生活基礎調査によると、2023年の全世帯の1世帯当たり平均所得金額は536万円でした。

ただし、ここで注意してください。

「536万円以上なら永住申請できる」

という意味ではありません。

今回の永住許可の改定案について、536万円が永住申請の確定した最低年収基準になると公表されたわけではありません。

また、「日本人世帯の平均」がどの統計を基準にするのか、本人収入と世帯収入をどのように評価するのかなど、具体的な運用については今後の正式なガイドラインを確認する必要があります。

したがって、現時点で、

「永住申請には年収536万円が必要」

と断定するのは適切ではありません。


なぜ永住申請で「世帯収入」が重視されるのか?

永住許可には、

「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」

という要件があります。

現在の入管庁ガイドラインでは、日常生活において公共の負担にならず、資産や技能などから見て将来において安定した生活が見込まれることが求められています。

つまり、永住許可では、

「現在、日本で生活できているか」

だけではなく、

「今後も安定して日本で生活できるか」

が重要です。

今回の改定案は、この「安定した生活ができる」という要件を、年収などの具体的な数字によって、より明確に判断する方向と考えられます。


年収が高ければ永住許可を取れる?

いいえ。年収だけで永住許可が決まるわけではありません。

ここは非常に重要です。

例えば、

年収800万円

であったとしても、

  • 税金を期限までに納付していない
  • 年金に未納がある
  • 健康保険料に滞納がある
  • 重大な交通違反がある
  • 在留状況に問題がある

などの場合、永住許可が当然に認められるわけではありません。

現在の永住許可には、素行、生計、日本国の利益など複数の要件があります。

したがって、「年収」だけで判断するのではなく、

年収+年金+税金+健康保険+在留状況+素行

を総合的に確認することが重要です。


「日本人世帯の平均を上回る収入」は、毎年必要?

今回の報道では、年収について継続的に日本人世帯の平均を上回る水準を求める方向が示されています。

そのため、

今年だけ収入が高い

という状態ではなく、

安定して一定以上の収入を得ていること

が重要になる可能性があります。

例えば、

1年目

年収700万円

2年目

年収720万円

3年目

年収680万円

というように、継続的に安定した収入があるケースと、

1年目

年収450万円

2年目

年収900万円

3年目

年収400万円

のように大きく変動しているケースでは、評価が異なる可能性があります。

特に、

  • 転職したばかり
  • 独立したばかり
  • 会社を設立したばかり
  • 自営業で売上が大きく変動する

という方は、慎重な確認が必要です。


「年収」と「所得」は違います

永住申請を考える際、ここも注意が必要です。

会社員の場合、

給与収入

と

所得

は同じではありません。

自営業・会社経営者の場合も、

売上

と

所得

は全く違います。

例えば、

売上1,000万円

↓

経費800万円

↓

所得200万円

という事業者の場合、

「売上1,000万円だから収入が十分」

と単純に判断することはできません。

永住申請では、申請者の収入・所得状況を、税務資料や課税証明書などを含めて確認する必要があります。

そのため、

「会社の売上が高いから永住申請は大丈夫」

という判断も危険です。


会社経営者・自営業者は特に注意

会社員の場合は毎月の給与が比較的安定しています。

一方、

  • 会社経営者
  • 個人事業主

の場合、所得が年度によって変動することがあります。

例えば、

前年:所得700万円

↓

今年:所得350万円

となっている場合、単純に前年の所得だけを見て判断することはできません。

また、会社経営者の場合には、

  • 会社の売上
  • 会社の利益
  • 役員報酬
  • 本人の所得
  • 会社の財務状況

などを分けて考える必要があります。

永住申請では、本人の生活基盤が安定しているかという観点から総合的に確認することが重要です。


夫婦の場合、配偶者の収入はどうなる?

永住申請で非常に多い質問です。

例えば、

夫:年収400万円

妻:年収250万円

の場合、

世帯としては650万円になります。

このようなケースで、

「夫婦の収入を合算すれば、日本人世帯の平均を上回るから大丈夫」

と単純に判断してよいのかは、今後の正式な運用を確認する必要があります。

今回の報道は「日本人世帯の平均を上回る年収」という表現になっているため、世帯単位での評価がどのように具体化されるのかが実務上の重要なポイントになります。

したがって、

「夫の年収だけで判断するのか」

「夫婦の収入を合算できるのか」

「扶養家族がいる場合はどうなるのか」

については、正式なガイドラインを確認する必要があります。


扶養家族がいる場合はどう考える?

例えば、

本人:年収600万円

でも、

  • 配偶者
  • 子ども2人
  • その他の扶養家族

がいる場合と、

本人:年収600万円

で、

  • 配偶者なし
  • 扶養家族なし

の場合では、生活に必要な金額が異なります。

永住許可の「独立した生計」という考え方からすれば、単純な年収だけではなく、世帯構成とのバランスも重要になると考えられます。

そのため、

「年収○万円だから絶対大丈夫」

と考えるのではなく、

年収+世帯構成+生活状況

を総合的に確認することが重要です。


年収が基準に届かない場合は永住できない?

ここも非常に重要です。

今回の改定案では、年収に加えて、将来の年金受給見込み額についても一定の基準を設ける方向です。

さらに、年金受給見込み額が不足する場合には、不足を補える預貯金などの金融資産があれば、独立した生計を営む要件を満たすと評価する方向と報じられています。

つまり、

年収が基準に届かない

↓

年金も十分ではない

という場合でも、

十分な金融資産がある

など、将来の生活を支える事情があれば、直ちに不許可という単純な制度になるとは限りません。

ただし、具体的な資産額や評価方法は、今後の正式な運用を確認する必要があります。


永住申請では「今の年収」だけを見ないことが重要

これからの永住申請では、

現在の年収

だけではなく、

過去の収入

今後の収入の安定性

将来の年金

預貯金・金融資産

税金・社会保険料の納付状況

などをまとめて確認することが重要になります。

つまり、

「年収はいくらですか?」

だけではなく、

「将来も安定して日本で生活できますか?」

という視点で準備することが重要です。


【永住申請・収入チェックリスト】

永住申請を考えている方は、次の項目を確認してみてください。

収入

□ 現在の年収を確認した

□ 過去数年間の年収を確認した

□ 収入が安定している

□ 転職直後ではない

□ 給与収入と所得の違いを理解している

世帯

□ 配偶者の収入を確認した

□ 扶養家族の人数を確認した

□ 世帯全体の生活状況を確認した

自営業・会社経営

□ 売上と所得を区別している

□ 事業所得の推移を確認した

□ 役員報酬を確認した

□ 会社の経営状況を確認した

将来の生活基盤

□ 年金加入状況を確認した

□ 将来の年金受給見込みを確認した

□ 預貯金・金融資産を確認した

公的義務

□ 住民税を期限内に納付している

□ 所得税を適正に納付している

□ 年金を適正に納付している

□ 健康保険料を適正に納付している


「自分の年収で永住申請できる?」と思ったら

今回の改定案について、現時点で最も注意すべきなのは、

「具体的な最低年収はいくらなのか」

という点です。

現在報道されているのは、

「日本人世帯の平均を上回る水準」

という考え方であり、具体的な金額が永住申請の最低ラインとして正式決定したわけではありません。

また、世帯収入の考え方、配偶者の収入、扶養家族、自営業者・会社経営者の所得の評価など、実務上重要な点については、今後のガイドライン等を確認する必要があります。

そのため、

「年収500万円だから無理」

「年収600万円だから大丈夫」

といった自己判断はおすすめできません。


永住申請は「申請できるか」より「今申請するべきか」が重要

永住申請では、要件を満たしたからといって、必ずしもその日に申請するのが最善とは限りません。

例えば、

  • 最近転職した
  • 最近昇給した
  • 独立したばかり
  • 会社を設立したばかり
  • 年収が年度によって大きく変動している
  • 税金の納付に問題があった
  • 年金に未納がある
  • 扶養家族が増えた

という場合には、申請時期を慎重に検討した方がよいケースがあります。

逆に、

  • 収入が安定している
  • 税金に問題がない
  • 年金に問題がない
  • 健康保険にも問題がない
  • 在留歴などの要件を満たしている

という方であれば、早めに申請を検討する意味があります。


【今すぐ相談】永住申請の「年収診断」をおすすめします

永住申請を考えている方は、申請書類を集める前に、

「自分の収入状況で永住申請を検討できるのか?」

を確認することをおすすめします。

当事務所では、永住申請を検討されている方について、

  • 現在の年収
  • 過去数年間の年収
  • 世帯収入
  • 配偶者の収入
  • 扶養家族
  • 雇用形態
  • 転職歴
  • 自営業・会社経営の場合の所得
  • 年金
  • 税金
  • 健康保険
  • 預貯金・金融資産
  • 在留年数
  • 現在の在留資格

などを総合的に確認することをおすすめしています。

そのうえで、

「今すぐ申請を検討できる」

「もう少し収入の安定を確認してから申請した方がよい」

「年金・税金など他の部分を先に整えた方がよい」

など、申請に向けた方向性を検討します。


「年収が足りないかも」と思ったら、早めにご相談ください

永住申請では、問題が見つかってから準備を始めると、時間がかかることがあります。

例えば、

年収が基準を下回っている

↓

すぐに申請するのではなく、収入を安定させる

↓

年金・税金・健康保険の納付状況も整える

↓

必要に応じて資産形成を進める

↓

申請に適した時期を検討する

という準備ができる場合があります。

だからこそ、

「まだ永住申請は数年先だから相談しなくていい」

とは限りません。

むしろ、早く相談することで、永住申請に向けて準備できる時間が増えます。


永住申請の年収要件について、今すぐご相談ください

次のような方は、ぜひ一度ご相談ください。

「自分の年収で永住申請できるのか分からない」

「日本人世帯の平均を上回っているか知りたい」

「夫婦の収入を合算していいのか知りたい」

「扶養家族が多いけれど大丈夫?」

「転職したばかりで年収が安定していない」

「会社経営者なので、売上・所得のどちらを見るのか分からない」

「年収が基準に届かない場合、預貯金で補える?」

「永住申請を今するべきか、待つべきか知りたい」

このような場合は、申請してから考えるのではなく、申請前に一度ご相談ください。

「自分の場合はどうなのか?」

ここを確認することが、永住申請の第一歩です。

→ お問い合わせフォームからご相談ください お問い合わせ | 行政書士鴻森事務所

→ 電話・メールでのご相談も承ります

永住申請は、早めの準備が結果を左右することがあります。

「自分の年収で大丈夫?」と思った今が、相談するタイミングです。


※本記事は2026年7月現在の報道および公表資料をもとに作成しています。政府は永住許可のガイドラインを2026年10月1日付で改定し、2027年4月の申請分から原則適用する方針と報じられています。年収については「日本人世帯の平均を上回る水準」が示されていますが、具体的な基準額、世帯収入の算定方法、配偶者の収入の扱い、自営業者等の所得の評価方法などは、今後公表される正式なガイドライン等をご確認ください。

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